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常総市の市民が避難指示を無視したことについて

私は、おそらくほかの多くの方々と同じく、自分自身が被災するという経験がありませんでした。

ところが、今回初めて、実家が被災し、ニュースやネットで報じられていることと、実際の被災地から見た今回の災害にちょっと違和感を感じています。

とくに、常総市の市民が避難指示無視したために、大きな災害になったという意見があるので、被災した市民の一人として書き留めておきます。

私の実家は決壊した地点から8キロほどの下流で、実際の被害は床上浸水でしたが、この床上浸水にしても、70歳以上の高齢の方しか経験していない高さでした。

植え込みでみる水の高さ.jpg

写真は近所の植え込みです。上のほうの緑とその下の変色しているところがわかると思いますが、水はこの高さまで来ました。

たったこれだけの高さですが、泥水の力は強く、畳とかは当然ダメになりました。

泥水に使ったものは、基本使えなくなるので、全部すてました。

水が引いてから家に入りましたが、家には、水道も電気もガスもなく、独特のいやな匂いが充満していました。

テレビで何度も報道された濁流の様子ほど派手ではないですが、うちの家もああなるかどうかは紙一重だったと思います。

とにかく、田舎町の全体の雰囲気は、まるで別の外国の風景であるかのように、日常的な様子から離れた不思議な感じがしました。

またしばらく、市内には入れませんでしたから、隣町と常総市とは別世界の感がありました。

街は封鎖され、自衛隊や海上保安庁などのヘリコプターや迷彩服をまとった方々、消防車の数々がその感を助長しました。

茨城県常総市豊田城より筑波山を望む.jpg


写真は決壊のほんの数日前に常総市豊田城から筑波山を撮ったものです。

このすぐ近くに、ヘリコプターでの救助を待つ方々が移されたアピタがあります。

本当にのどかな、稲穂が実った穀倉地帯であることがわかると思います。

決壊した地点は、この写真を撮った位置からすぐ後ろということになるかと思います。


さて、本題に戻ります。

今回の決壊ですが、正直いって私自身も、まさか決壊するとは思っていませんでした。

すべては、あとからの思いですが、ほかの多くの河川がそうであるように、川はかなりの蛇行をしており、人間の力を加えなければ、定期的にその流れを変える運命であったと思います。

鬼怒川という名前の由来も、川の氾濫と無縁ではないように思います。

それが、ずっと決壊していなかったというだけで、大丈夫だろうと思ってしまったのは無理がないと思います。

結局は普段からの危機管理の問題だったのかと思います。

ここ最近の異常気象は、これまでの常識での判断では対応できないことが多いことを、今回の鬼怒川の決壊を教訓として是非生かしてください。

「これまで経験したことのない」という表現は、最近、気象庁の発表でよく聞く表現です。

特に雨量、風力などで多いですし、竜巻もそうです。

中には、ツイッターで連絡してヘリコプターに救助してもらえた話もありましたが、ネット環境も田舎のこと故、必ずしも万全ではないです。

また、私の実家もそうですが、高齢化が進み、ネットなど使えない一人暮らしの老人も多くいます。

隣近所に声かけあうことは、田舎であるため都会ほど近隣関係が希薄ではないにせよ、同じような傾向がないとは言えません。

ただ、一方でちょっとだけ、ほのぼのとしたこともありました。

それは、同じような境遇にある隣近所の方々や、市が用意した粗大ごみ捨て場などで、会う方全員がとても感じよく我慢強く頑張っていて、連帯感のようなものと、明るさを強く感じたことです。

戦後の復興が妙に明るい感じがするのは、こんな感じだったのかなと思ったりしました。

実に残念ですが、ネットなどでは、無責任に行政を非難したり、迅速におにぎりを無償で用意してくれたコンビニ大手を売名行為といったりする方がいらっしゃいます。

たぶん、そうした方々も実際に被害にあわれるとわかるのかもしれませんが、生きていくことは理屈ではないのと同じように、人の優しさもまた理屈ではないのです。

防災や避難指示などは、「羊飼いとオオカミ」の話のように、不発に終わることがほとんどだし、またそれでいいわけですが、普段からの準備といざというときの対策が重要だと、改めて思いました。

今回の災害に支援してくださった方々に心からお礼を申し上げます。

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